2020.02.28

三栗野君(M1)が第一著者の『水中におけるグラフェン触媒を援用したGe表面のエッチング特性』に関する論文がThe Journal of Physical Chemistry C誌に掲載されました。

我々の研究グループは、還元グラフェンシートが溶液中で触媒として作用し、接触した半導体表面を選択的にエッチングする“グラフェン・アシストエッチング”を初めて見出しました。この論文では、化学的な組成が異なる三種類のグラフェン触媒を用意し、Ge表面のエッチング速度に与える影響を定量的に評価しました。そして、ピリジン型に配位した窒素原子の近傍で酸化剤である酸素分子が活発に吸着し、下地のGe表面の酸化とエッチングを促進するという加工メカニズムを提案しました。さらに、本手法をリソグラフィープロセスと組み合わせることにより、任意形状(本論文では、大阪大学のロゴマーク)のトレンチ(溝)パターンが形成できることを実証しました!

R. MikurinoA. OgasawaraT. HiranoY. NakataH. YamashitaS. LiK. KawaiK. YamamuraK. Arima
Catalytic Properties of Chemically Modified Graphene Sheets to Enhance Etching of Ge Surface in Water
The Journal of Physical Chemistry C. 124 (2020) 6121-6129.
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.jpcc.9b11423