2021.06.24
李君寰君(D1)が第一著者の『ナノグラフェン上での長方形状の周期構造を持つ電子分布のSTM観察とその起源』に関する論文がPhysical Review B誌に掲載されました。
グラファイト表面の電子状態分布は、走査型トンネル顕微鏡(STM)の発明以降40年にわたって幅広く調査され、局所欠陥に起因する様々な超構造が報告されています。一方で我々は、今回、グラファイト表面上に形成したグラフェンシートのSTM像中に、長方形状の奇妙な輝点配列が存在することに着目し、その特徴を詳細に解析しました。そして、この長方形状格子が、近接した線状欠陥に由来する二種類の菱形格子((√3×√3)R30°)の重畳により生じるとする新たな仮説を打ち立てました。さらに、グラフェンナノリボンの第一原理計算やSTM画像のフーリエ変換に基づく電子散乱波の考察により、この仮説の妥当性を検証しました。
以上の研究結果はPhysical Review B誌に掲載されました。
以上の研究結果はPhysical Review B誌に掲載されました。
J. Li, S. Li, T. Higashi, K. Kawai, K. Inagaki, K. Yamamura, K. Arima
Atomic-scale insights into the origin of rectangular lattice in nanographene probed by scanning tunneling microscopy
Physical Review B 103 (2021) 245433.