2022.03.17

馬智達君(M2)と増本晴文君(OB)が共同第一著者の「全湿式化学プロセスを用いたステップエッジに沿った選択的エッチングによる平坦化されたSi(111)表面上の隣接テラスの分離」に関する論文がLangmuir誌に掲載されました。

 溶液中で金属が発現する触媒効果により、接触した半導体の表面が選択的にエッチングされる金属アシストエッチング(Metal Assisted Chemical Etching: MACE)は、従来型のドライエッチングやウェットエッチングとは異なる特性を持つ、新たなエッチング方法として注目されています。特に、金属触媒を配列する自己組織的な手法とMACEを組み合わせるアプローチは、半導体表面上への新たなナノ構造の形成や、ナノ材料の創出に繋がる可能性を秘めており、注目されています。
 私たちは本論文において、Si(111)表面にMACEを含む複数のウェット処理を施すことにより、当該Si表面に微細加工を施す新たなシーケンスを提案しています。具体的には、超平坦なステップ/テラス構造を持つSi表面上の原子ステップに沿って、選択的にナノ溝構造を形成する自己組織的な手法を実証しました。私たちは、本手法を発展させることにより、Siナノ材料の創製に繋げたいと考えています。
 以上の研究成果はLangmuir誌に掲載されました。


Z. Ma#, S. Masumoto#, K. Kawai, K. Yamamura, K. Arima
Separation of Neighboring Terraces on Flattened Si(111) Surface by Selective Etching along Step Edges Using Total Wet-chemical Processing