2023.11.19

楊暁喆さん(博士後期課程修了生、元JSPS DC2)が第一著者の「スラリーレスECMPにおける4H-SiC(0001)面の陽極酸化に影響を及ぼす電解液の種類と濃度」に関する国際共著論文がElectrochimica Acta誌に掲載されました。

スラリーレス電気化学機械研磨 (ECMP) は、SiC ウエハの高能率かつ低環境負荷な研磨手法として期待されています。本論文では4H-SiC (0001) 表面の陽極酸化と ECMP に及ぼす電解質の種類と濃度の影響を調査しました。SiC 表面の陽極酸化速度は、電解質濃度が低い場合には導電率に比例して増加しますが、導電率が約0.1 S/mを超えると生成された酸化物層の抵抗が増加するため、電解質濃度の増加とともに減少しました。 また、SiC 表面における陽極酸化の均一性は、電解質濃度の増加に伴う電流密度の増加により向上しました。 電解質濃度の増加により、ECMPにおける材料除去速度(MRR)は増加し、表面粗さは減少することをあきらかにしました。本研究で得られた結果は、スラリーレス ECMP の研磨特性を向上させる上で非常に有用な知見となります。

X. Yang, Xu. Yang, K. Yamamura
Effects of electrolyte type and concentration on the anodic oxidation of 4H-SiC (0001) in slurryless electrochemical mechanical polishing
Electrochimica Acta 474 (2024) 143531.