2026.02.10

当研究室で開発したプラズマ自己停止改質を援用したAlNセラミックスの研磨プロセスに関する論文が、陶通君(D3)を第一著者としてCeramics International誌に掲載されました。

 本論文では、AlNセラミックスのサブナノメートル平滑化を目的として、プラズマ自己停止改質(Self-limiting modification)と極低研磨圧力での選択除去を組み合わせた新しいプラズマ援用研磨(PAP)プロセスを提案しました。AlNセラミックスは、結晶粒面方位の違いや粒界相の存在に起因して、従来の機械研磨では粒界段差や脱粒が生じやすく、サブナノメートルレベルの高品位仕上げが困難でした。さらに、結晶粒方位や材質の違いに起因する反応性の差により、均一な表面改質も困難である。そこで本研究では、まずCF4含有プラズマにより表面に自己停止改質により改質層を均一に形成し、その後、従来の機械除去限界を下回る極低研磨圧力条件で改質層のみを選択的に除去する二段階PAPを構築しました。
 その結果、粒面方位や粒界相の違いに起因する不均一な除去を大きく抑制し、粒界段差のない高品位表面を実現しました。特に、表面粗さSaは0.86 nmまで低減され、従来の機械研磨と比較して大幅に高い平滑化性能と損傷抑制効果が確認されました。さらに、本手法では、通常の機械加工では実質的に除去が困難な超低圧条件下でも安定した加工が可能であり、AlNセラミックスに対する高効率・高品質な超精密仕上げプロセスとして有効であることを示しました。