2025.12.16

当研究室で開発したダイヤモンドのプラズマ援用研磨プロセスにおいて、異なる研磨プレートを用いた場合の研磨メカニズムに関する論文が、董佳遠君(D3)を第一著者としてJournal of Materials Processing Technology誌に掲載されました。

 本論文では、単結晶および多結晶ダイヤモンドの高能率・高精度仕上げを目的として、シリコンおよびシリカ研磨プレートを用いたプラズマ援用研磨(PAP)について比較検討を行いました。ダイヤモンドは極めて高い硬度と化学的安定性を有するため、従来の加工法では高能率かつ高品位な表面仕上げが困難です。特に、PAPにおいては、研磨プレート材料の違いが加工特性や界面反応機構にどのような影響を与えるかが十分に明らかにされていませんでした。そこで本研究では、シリコンプレートとシリカプレートを用いたPAPを体系的に比較するとともに、XPS解析および第一原理計算を通じて、プラズマ照射下におけるトライボロジー界面での反応機構を詳細に検討しました。
 その結果、シリコンプレートはシリカプレートと比較して、より高い材料除去能と優れた表面平滑化性能を示すことが明らかとなりました。これは、プラズマにより生成された酸素ラジカルがダイヤモンド表面およびプレート表面の酸化を促進するとともに、界面における結合形成を通じてダイヤモンド除去を効果的に進行させるためです。一方で、シリコンプレートでは高い反応性ゆえに定盤摩耗も進行しやすく、長時間加工では加工精度や除去速度の低下が生じることが確認されました。これに対し、レーザドレッシングによりプレート表面状態を回復させることで、加工性能を維持・再生できることを示しました。さらに、本手法を2インチ多結晶ダイヤモンド基板へ適用した結果、粒界段差のない原子レベル平坦表面(Sa約0.3 nm)を実現しました。