2026.07.12
当研究室の董佳遠君(D3)を第一著者とする論文が、Diamond & Related Materials誌に掲載されました。
本研究では、単結晶ダイヤモンドの仕上げ研磨において問題となる「結晶方位依存性(異方性)」に着目し、プラズマ援用研磨(PAP)によって異方的な材料除去が等方的な材料除去へ転移するメカニズムを明らかにしました。ダイヤモンドは極めて高い硬度と耐摩耗性を有するため、従来の機械研磨では材料除去速度が低く、さらに結晶方位に依存した方向性スクラッチが発生しやすいことが課題でした。
本研究では、(100)、(110)、(111)面を有する単結晶ダイヤモンドを対象に、従来の機械研磨(MP)とPAPを比較しました。その結果、機械研磨では結晶方位に対応した顕著な方向性テクスチャが形成される一方、PAPではこれらの方向性特徴が大幅に抑制され、すべての結晶面において原子レベルで平滑な表面が得られることを示しました。SWLI評価では、PAP後の表面粗さは(100)面でSa = 0.13 nm、(110)面でSa = 0.15 nm、(111)面でSa = 0.14 nmまで低減しました。さらに、二次元PSD解析により、機械研磨後には特定の結晶方位に対応した強い角度依存性が現れるのに対し、PAP後にはPSD強度の角度分布が均一化することを確認しました。これは、PAPによりダイヤモンドの材料除去が結晶方位に依存しにくい等方的なプロセスへ変化したことを示しています。
このメカニズムを解明するため、本研究では密度汎関数理論(DFT)計算を用いて、原子スケールの材料除去を支配する方向依存エネルギー障壁を解析しました。その結果、従来の機械研磨では結晶方位に応じてエネルギー障壁が大きく異なり、低エネルギー方向に沿った異方的な除去が生じるのに対し、PAPでは酸素を介した界面結合により炭素原子が引き抜かれることで、方向依存的なエネルギー障壁の差が緩和されることを明らかにしました。
本成果は、実験で観察される表面テクスチャの異方性と、原子スケールの方向依存エネルギー障壁を直接結び付ける新しい理解を与えるものです。また、ダイヤモンドだけでなく、結晶方位依存性が加工品質を制限するさまざまな結晶材料の超精密加工において、異方性を抑制するための普遍的な加工設計指針となることが期待されます。
本研究では、(100)、(110)、(111)面を有する単結晶ダイヤモンドを対象に、従来の機械研磨(MP)とPAPを比較しました。その結果、機械研磨では結晶方位に対応した顕著な方向性テクスチャが形成される一方、PAPではこれらの方向性特徴が大幅に抑制され、すべての結晶面において原子レベルで平滑な表面が得られることを示しました。SWLI評価では、PAP後の表面粗さは(100)面でSa = 0.13 nm、(110)面でSa = 0.15 nm、(111)面でSa = 0.14 nmまで低減しました。さらに、二次元PSD解析により、機械研磨後には特定の結晶方位に対応した強い角度依存性が現れるのに対し、PAP後にはPSD強度の角度分布が均一化することを確認しました。これは、PAPによりダイヤモンドの材料除去が結晶方位に依存しにくい等方的なプロセスへ変化したことを示しています。
このメカニズムを解明するため、本研究では密度汎関数理論(DFT)計算を用いて、原子スケールの材料除去を支配する方向依存エネルギー障壁を解析しました。その結果、従来の機械研磨では結晶方位に応じてエネルギー障壁が大きく異なり、低エネルギー方向に沿った異方的な除去が生じるのに対し、PAPでは酸素を介した界面結合により炭素原子が引き抜かれることで、方向依存的なエネルギー障壁の差が緩和されることを明らかにしました。
本成果は、実験で観察される表面テクスチャの異方性と、原子スケールの方向依存エネルギー障壁を直接結び付ける新しい理解を与えるものです。また、ダイヤモンドだけでなく、結晶方位依存性が加工品質を制限するさまざまな結晶材料の超精密加工において、異方性を抑制するための普遍的な加工設計指針となることが期待されます。