2026.08.13
当研究室の大西雄也君(D2)を第一著者とする論文が、Journal of Materials Processing Technology誌に掲載されました。
本研究では、次世代縦型パワーデバイス用材料として重要な高ドープGaN基板を対象に、キャリア濃度の面内不均一性に起因する研磨ムラの問題に取り組みました。高ドープGaNは低抵抗な縦型パワーデバイスに不可欠である一方、基板内部のキャリア濃度不均一性により、電気化学機械研磨における酸化反応と材料除去が空間的に不均一となり、表面品質とプロセス制御性を制限することが課題でした。
本研究では、OVPE法により成長したn型GaNを用い、化学反応場、電場援用反応場、光援用反応場における酸化挙動を系統的に解析しました。その結果、陽極酸化では高キャリア濃度領域において電流密度と正孔供給が増加するため酸化が促進される一方、UV援用酸化では高キャリア濃度領域で再結合が強まり、光生成正孔の有効寿命が短くなるため酸化が抑制されることを明らかにしました。すなわち、電場援用酸化とUV援用酸化はキャリア濃度に対して互いに反対の依存性を示します。
さらに、この相反する酸化応答を利用し、UV照射と電場印加の寄与を適切にバランスさせることで、キャリア濃度分布に起因する酸化不均一性を相殺し、基板全面にわたって均一な表面改質を実現しました。このメカニズムに基づき、本研究では軟質固定砥粒CeO2を用いたラリーレス光電気化学機械研磨(PECMP)プロセスを開発しました。電場支配条件では最大 3.81 µm h⁻¹ の高い材料除去速度が得られた一方で、キャリア濃度に依存した表面形状が残存しました。これに対して、バランス条件では特徴的な花弁状トポグラフィーの形成が抑制され、Sa = 0.397 nm の超平滑表面が得られました。さらに、Raman応力マッピングにより、スクラッチ由来の残留応力特徴が除去されることも確認されました。
本成果は、従来のPECMPのように単に酸化速度を高めるのではなく、キャリア濃度に対して相反する反応場の寄与を制御することで、材料内部の不均一性に影響されない均一・高効率・低損傷な表面仕上げを実現するものです。高ドープGaNをはじめ、局所反応性が空間的に不均一な半導体・硬脆材料のスラリーレス超精密加工に向けた新たなプロセス設計指針を与える成果です。
本研究では、OVPE法により成長したn型GaNを用い、化学反応場、電場援用反応場、光援用反応場における酸化挙動を系統的に解析しました。その結果、陽極酸化では高キャリア濃度領域において電流密度と正孔供給が増加するため酸化が促進される一方、UV援用酸化では高キャリア濃度領域で再結合が強まり、光生成正孔の有効寿命が短くなるため酸化が抑制されることを明らかにしました。すなわち、電場援用酸化とUV援用酸化はキャリア濃度に対して互いに反対の依存性を示します。
さらに、この相反する酸化応答を利用し、UV照射と電場印加の寄与を適切にバランスさせることで、キャリア濃度分布に起因する酸化不均一性を相殺し、基板全面にわたって均一な表面改質を実現しました。このメカニズムに基づき、本研究では軟質固定砥粒CeO2を用いたラリーレス光電気化学機械研磨(PECMP)プロセスを開発しました。電場支配条件では最大 3.81 µm h⁻¹ の高い材料除去速度が得られた一方で、キャリア濃度に依存した表面形状が残存しました。これに対して、バランス条件では特徴的な花弁状トポグラフィーの形成が抑制され、Sa = 0.397 nm の超平滑表面が得られました。さらに、Raman応力マッピングにより、スクラッチ由来の残留応力特徴が除去されることも確認されました。
本成果は、従来のPECMPのように単に酸化速度を高めるのではなく、キャリア濃度に対して相反する反応場の寄与を制御することで、材料内部の不均一性に影響されない均一・高効率・低損傷な表面仕上げを実現するものです。高ドープGaNをはじめ、局所反応性が空間的に不均一な半導体・硬脆材料のスラリーレス超精密加工に向けた新たなプロセス設計指針を与える成果です。